第9号

皆さま、こんにちは、未踏通信編集局です。未踏通信 第9号をお送りします。

この未踏通信は、未踏OBからの技術関連コラム、未踏関連イベント情報、未踏関連の話題等、未踏事業に関わる情報をお知らせするメールニュースです。随時お送りしておりますのでご愛読ください。

TECHNOLOGY EYE(未踏OBが見た最新技術動向のコラム)

「教育×タブレット×共創体験」

2012年度未踏スーパークリエータの直江憲一です。現在は未踏成果である投稿型のWeb図鑑システム事業(http://zukan.com/ )を行う、株式会社ズカンドットコムの取締役CTOをしています。

タブレットが教育の現場に急速に普及していくこれからの時代、小学校にはどんな教育が求められるでしょうか? 私はみんなで一つのものを作る共創体験が重要になってくると思っています。同じクラスの机が近い人同士で活動するだけでなく、学年や学校の垣根を越えた活動です。タブレットによってもたらされるITの力によって共創体験が、より手軽にそして広いスケールで享受できるようになります。

例えば、子ども達自身が、作りたい図鑑のテーマをいくつか決めて、昆虫や植物など、図鑑のテーマに合った写真を投稿しあって集めます。集まった写真のうち名前の分からないものは、学校の先生や地域の詳しい方が参加して教えあうというものです。ITによって、写真を整理したり人が閲覧しやすくなるようにされているため、より多くの人と、よりリアルタイムに共創体験を共有することができるようになっています。このようなタブレット×図鑑づくりという教材が、子どもたちがこれを体験するよい例になると思います。

筆者は、タブレット時代の総合学習の時間で子どもたちに図鑑づくりという共創体験を届けるべく、システムの開発を進めています。詳しくは、9月18日に行われる未踏交流会でお話いたしますので、ご興味ございましたら是非ご参加ください。

▼ズカンドットコムのホームページ
http://zukan.com/

EVENT INFORMATION (未踏関連イベントのご案内)

2014年9月18日(木)「未踏交流会Vol.14」開催
マルチ講演と、ショートプレゼンテーション&懇親会

9月18日(木)、産学連携を推進しているアキバテクノクラブ様(※1)と共催で下記のとおり「未踏交流会Vol.14」を開催します。

「未踏交流会」では毎回、当日の講演テーマにご興味のある方々を中心に、さまざまな方が参加され、その度に新しい出会いと交流が生まれ、未踏の輪が広がっています。

今回の講演は2本立てです。前半はコラムにも登場いただいた、株式会社ズカンドットコムの取締役CTO 直江憲一氏に講演していただきます。後半には特別ゲストとして株式会社オモロキの代表取締役社長 鎌田武俊氏も登壇。2つの講演をリンクさせた盛りだくさんの構成です。

■講演タイトル
前半:タブレット時代の学校教育は、共創体験が面白い。
− 生徒全員で虫を集めたら、すごい図鑑ができるかもという提案 −

後半:みんなが超クリエイティブになれる、企業間協業の新しい形とは。
−『ボケて』を生み出す、聞いたこともない協業スタイル −

■講演内容
前半は、タブレットが教育の現場に急速に普及していくこれからの時代、小学校にはどんな教育が求められるのか? 私はみんなで一つのものを作る共創体験が重要になってくると思っています。同じクラスの机が近い人同士で活動するだけでなく、学年や学校の垣根を越えた活動です。
タブレットによってもたらされるITの力によって共創体験がより手軽にそして広いスケールで享受できるようになります。そのような時代にどんな教育コンテンツの可能性があるのかについて、ズカンドットコムの図鑑forキッズプロジェクトをご紹介します。

後半は、近年、会社の枠を超え、プロジェクトベースで人が集まって目標を共有し、収益を等分することによって皆が超クリエイティブにコミットするという新しい協業の形が出てきています。このような新しい働き方について、ズカンドットコムでの例をお話しするとともに、大人気Web大喜利サービス「ボケて」での協業例をご紹介します。(直江氏)

■ショートプレゼンテーション&懇親会
講演あとの懇親会では、いつものように、気軽な雰囲気の中でのコミュニケーションを楽しみながら、参加者によるショートプレゼンテーションも予定しています。ぜひ積極的にショートプレゼンテーションにもお申込みいただき、ご自分の日頃の活動、アイディア、成果などをご披露ください。

この機会を利用して、未踏クリエータや、一般参加の方々、そしてアキバテクノクラブのメンバーの方々との交流によるコミュニティーの輪を広げていただければ幸いです。

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■「未踏交流会」開催概要
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開催日時:2014年9月18日(木) 17:00~20:00
開催場所:秋葉原ダイビル5F カンファレンスフロア5C
所 在 地:東京都千代田区外神田1-18-13 秋葉原ダイビル5F
交通案内:www.akibahall.jp/data/access.html
定  員:50名
参  加:・講演は無料(一般公開形式、事前申込み制)
・ショートプレゼンテーション&懇親会は1,000円
(ドリンク・軽食代、事前申込み制)

講演の概要は、以下をご覧ください。
www.ipa.go.jp/jinzai/mitou/2014/kouryukai20140918.html
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■「未踏交流会」参加申込み方法
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参加ご希望の方は、下記URLの受付ページよりお申込みください。
(先着順で受付けし、満員の場合はお断りする場合もあります)
https://ipa-rcpt.ipa.go.jp/event_entry/index/47/
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■ショートプレゼンテーションのプレゼンテーター申込み方法
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ショートプレゼンテーションのプレゼンテーターを募集しています。
以下宛にメールにてお申込みください。
申込メール送付先:mitou-hukyu@ipa.go.jp

詳しくは以下のページをご覧ください。
www.ipa.go.jp/jinzai/mitou/2014/kouryukai20140918.html
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※1 アキバテクノクラブ
「秋葉原ダイビル産学連携フロア」に入居する大学・企業等が構成メンバーとなり、各メンバー間のコミュニティ形成を目的とする「相互交流の場の創出」や、メンバー内外に向けた「活動内容等の情報発信」等の活動を行って「IT基盤型先端技術による産業の創出と再生」に繋げることを目指しています。

▼アキバテクノクラブWebページ:
www.akiba-sangaku.jp/concept/index.html

EVENT REPORT (最近開催されたイベントのご報告)

経済産業省 平成26年度「子どもデー」出展
楽しく熱心に、子どもたちの目が輝いていた!

去る8月6日(火)~7日(水)に、経済産業省の本館講堂で毎年実施している、一般の子ども達の参加の「楽しみながらいろんなことを知ってもらおう」という趣旨のイベント「子どもデー」が今年も開催されました。

~「ミライーノひろば」で未来を体験してみよう!~ という全体のテーマで、「作ってみよう」「学んでみよう」「制作教室」という3つのカテゴリーに別けられた、40ものさまざまな体験型プログラムに多くの子どもたちが参加していました。

我らが未踏からは、2つのプログラムが出展。
1つは、朝倉民枝氏(2004年度上期本体)の「<ピッケのつくるえほん>ワークショップ ~せかいで1さつのオリジナルえほんをつくろう!~」というプログラム。1時間50分で、自分でお話を考えて絵本を作るまでのワークショップが4回行われましたが、いずれも定員満席の人気で、子どもたちがそれぞれ自分独自のお話の世界を、気持ちを集中させて「創作」をする表情は感動させられるものでした。

もう1つは、吉崎航氏(2009年度上期本体)の「プログラムを自分で作って、思い通りにロボットを動かしてみよう」というプログラム。「V-Sido」(ブシドー)を実装した小型の歩行ホビーロボットを持参し、子ども達との相互コミュニケーションのスタイルで、レクチャー、ロボットのデモンストレーション、PCを利用したロボット操作体験を行いました。

いずれのプログラムでも、子どもたちが目を輝かせて参加している姿が印象的でした。

▼経済産業省 平成26年度「子どもデー」
http://www.meti.go.jp/intro/kids/torikumi/

セキュリティ・キャンプ全国大会2014、8/12~16開催!
若い熱気でムンムン!

未踏事務局のあるイノベーション人材センター未踏人材グループでは、22歳以下の学生・生徒を対象に、高いレベルの情報セキュリティ技術を身につけてもらうための事業「セキュリティ・キャンプ」も運営しています。今夏もその中心的なイベントである全国大会が開催されました。以下は、セキュリティ・キャンプの担当者からのレポートです。

こんにちは! IPAセキュリティ・キャンプ担当の工藤です。8月12日から16日までの5日間、猛暑の中「セキュリティ・キャンプ全国大会2014」が開催されました。毎年夏休み期間中に行われる合宿形式のこのイベントは、今年で11回目となります。今年は、応募総数301名の中から42名の精鋭たちが全国各地から集まりました。

セキュリティ・キャンプの対象は、情報セキュリティに興味をもつ学生・生徒たち。第一線で活躍するセキュリティ技術者が講師となり、受講者は直接最新の技術に関する講義や実践的な演習を通して学びます。また、過去の受講者がチューターという立場で受講者の理解を深めるための手助けをしてくれることも特徴のひとつ。タテとヨコの人的ネットワークが形成され、有志が集まっての勉強会や、ベンチャー企業の立ち上げなどへとつながっています。

初日の名刺交換では緊張の面持ちだった受講生たちも、特別講義、4クラスに分かれての講義とプログラムが進むうちに打ち解け合い、協力しあって課題に取り組んでいました。

連日、グループワーク、討論会、企業見学、CTF(セキュリティ技術を競う競技)と充実したプログラムを元気にこなした受講生たちは、最高の笑顔で閉講式を迎えました。この経験を活かして、それぞれ目指す分野へ羽ばたいていってくれることを、スタッフ一同心より願っています。

セキュリティ・キャンプでは、全国各地でミニキャンプ(地方大会)も開催しており、2014年は福岡・東北・北海道・沖縄での開催を予定しています。全国大会の講師陣が各地で講義を行いますので、興味をお持ちの方はぜひご参加ください。詳細は、下記のIPAまたはセキュリティ・キャンプ実施協議会のWebサイトでご確認いただけます。
これからもセキュリティ・キャンプ事業に温かいご支援を宜しくお願いします。

▼IPAセキュリティ・キャンプサイト
http://www.ipa.go.jp/jinzai/camp/index.html

▼セキュリティ・キャンプ実施協議会
http://www.security-camp.org/

未踏通信編集局より

2013年度の未踏事業は成果報告会も終わり開発期間は終了しましたが、今回からクリエータ全員参加になった「未踏事業修了式兼スーパークリエータ認定証授与式」という最後のイベントが待っています。

入れ替わりに始まった2014年度の未踏事業は、早や2ヶ月が過ぎ、PMの熱い指導のもとで、いよいよペースを上げて開発に集中し始めています。

8月も下旬にかかり、蜩の声が聞こえ始め、週末には「處暑」となり暑さも一段落する、と言われますが、まだまだ暑さと気まぐれな雨は収まらず、日本の爽やかな秋はしばらく先になりそうです。でも、未踏はそんな気候をモノともしません。2014年度の開発はこれからが本番。今後のクリエータたちのガンバリに大いに期待したいところです。

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