皆さま、こんにちは、未踏通信編集局です。未踏通信 第6号をお送りします。
この未踏通信は、未踏OBからの技術関連コラム、未踏関連イベント情報、未踏関連の話題等、未踏事業に関する情報をお知らせするメールニュースです。随時お送りしておりますのでご愛読ください。
皆さま、こんにちは、未踏通信編集局です。未踏通信 第6号をお送りします。
この未踏通信は、未踏OBからの技術関連コラム、未踏関連イベント情報、未踏関連の話題等、未踏事業に関する情報をお知らせするメールニュースです。随時お送りしておりますのでご愛読ください。
未踏2008年度下期スーパークリエータの久保田秀和です。現在は未踏成果を活かしたWeb会議をはじめとするビデオコミュニケーション・Webコラボレーション事業を展開している、ニューロネット株式会社の執行役員最高技術責任者(CTO)をしています。
このコラムでは、ビデオコミュニケーションのこの15年間における注目すべき変化についてお話したいと思います。
15年前、筆者がビデオ会議を研究していた頃は40万画素のカメラが1台20万円もしましたが、現在はHD画質のWebカメラが1万円で手に入り、ノートPCやスマートフォンにはカメラが内蔵されています。いまお客様から日々話を伺っていると、ビデオ会議のために高価なカメラを購入する時代から、どこにでもカメラのある時代へ変化したこと、そしてカメラが身近にあるため会議に限らず日常の業務やサービスの幅広い課題に対してビデオコミュニケーションの適用が検討される時代になっていることが実感されます。
このため最近の技術動向としては、従来の映像品質やモバイル対応に加え、ビデオコミュニケーションサービスを誰でもカジュアルに利用できるよう動作環境の準備を最小にすることが求められています。
スマートフォンの場合、アプリ型のサービスはインストールの手間が難点とされるため工夫が必要です。OSベンダーがFaceTime、Skype、Hangoutsのような自社アプリのバンドルへ向かっていることは相互運用性に難を感じます。Webの場合、ビデオコミュニケーションではFlashプラグインの技術が成熟しており企業Firewallへの対応も可能です。WebRTCはブラウザのみでビデオ通信可能な技術として注目されますが、対応ブラウザ数と接続技術が未成熟です。
筆者は現在、上記の課題を解決し、ビデオとスマートフォンを用いた「見える」コンタクトセンターVisualConcierge事業を、JETROのシリコンバレー・イノベーション・プログラムのご支援を受けて米国展開しています。
———————————————————————-
▼ニューロネット株式会社
http://neuronet.co.jp/
▼JETRO シリコンバレー・イノベーション・プログラム
http://www.jetro.go.jp/services/innovation/
去る1月28日(火)に、JUAS(日本情報システム・ユーザー協会)主催のイベント「JUAS Future Aspect 2014」が目黒雅叙園で開催されました。
一般参加費17,000円にもかかわらず多くのユーザー企業の方々が参加され、大阪大学大学院教授で、未踏事業PMの石黒浩氏の基調講演のほか、各界で活躍する方々による多彩なスタイルのセッションが行われました。
その中で、私たち未踏人材グループが実施する2つの事業で「未踏IT人材&セキュリティ・キャンプセッション」を受け持ち、未踏OBの藤本実氏と吉崎航氏、セキュリティ・キャンプOBの中島明日香氏と竹腰開氏の4人が講演を行いました。
講演の後は、講演者4人に石黒PMとセキュリティ・キャンプ講師主査の宮本久仁男氏が加わって、「イノベ—ティブで安心・安全な社会を創る~若い突出したIT人材~」というテーマでパネルディスカッションが行なわれ、未踏事業とセキュリティ・キャンプ両者の立場からの様々な意見が交わされました。
JUASが主催するイベントの中では、未踏事業とセキュリティ・キャンプのセッションは初めて行われましたが、多くの方々が興味を持たれて参加し、2つの事業の活動の面白さと、そこから輩出された若い人材の有望さを実感していただきました。これまではあまり交流する機会がなかったユーザー企業の方々へ両事業をアピールできたことは、大変に有意義な機会だったと言え、今後も他団体が主催する同様のイベントへの積極的な参加を図り、事業の普及を行いたいと思います。
去る2月26日(水)に、恒例の未踏交流会が秋葉原ダイビルのカンファレンスフロアで開催されました。
今回、講演したのは、新しいクレジット決済方法を提案し事業を展開するウェブペイ代表取締役の久保渓氏です。苦学しながら米国の大学を卒業し、その後、シリコンバレーで未踏出身者の仲間たちとベンチャーを起業した同氏の話は大変興味深いもので、米国と日本のビジネス環境の違いや日本のスタートアップのあり方を考えるうえで多くの示唆に富むものでした。
続いて行われたショートプレゼンテーション&懇親会では、仮想通貨であるビットコインの啓蒙活動に携わる日本デジタルマネー協会の樋田桂一氏と、プロトタイピング講座を主宰する岩崎健一郎氏からのショートプレゼンテーションが行われました。ショートプレゼンテーションの後には再び久保氏を囲んで意見交換がされるなど、大いに盛り上がった懇親会になりました。
去る3月11日(火)~13日(木)に、東京電機大学の東京千住キャンパスで情報処理学会第76回全国大会が開催されました。
最終日、3月13日のイベント企画の中で「~IPA未踏事業~ ITの力でイノベーションを創造する『若い突出したIT人材』の発掘・育成への取組み」と題して未踏事業の紹介イベントを行いました。
基調講演は未踏事業統括PMである東京大学名誉教授の竹内郁雄氏。竹内氏は未踏事業に発足時から携わっていただいており、14年にわたる未踏事業のこれまでの歩みと、今まで出会ったクリエータの中から特に印象に残っている数名の「変人ぶり」を紹介いただきました。
続いて、ソフトイーサ株式会社の登大遊氏、ジセカイ株式会社の落合陽一氏、Lunascape株式会社の近藤秀和氏の未踏クリエータ3名による講演が行われ、未踏事業をきっかけにご自身がどのように飛躍できたか、また未踏事業の面白さについて、それぞれのご経験からお話いただきました。
情報処理学会の中でのイベントということで、参加者は大学の先生や学生が多く、今後未踏事業に応募する方が増えるきっかけとなることを期待しています。
去る3月14日(金)に、ベルサール秋葉原で第2回未踏シンポジウムが開催されました。
基調講演はグローバルな視点から長年多くのビジネスをプロデュースしてきたサンブリッジグループ CEOのアレン・マイナー氏。「パワーシフト “とんがったエンジニアの時代”」というタイトルで基調講演を行い、今世界で起きている変化を、パワーシフトの側面から解説してくれました。大手からベンチャー、キャピタリストからアントレプレナー、営業系から技術系といったパワーシフトが起きる中で「現在は、技術力、クリエイティブ力が活かせる時代。是非、チャレンジを!」と未踏人材の活躍にエールを送りました。
続いて、”ブロックセッション”という形式で未踏クリエータによるプレゼンテーションが行われました。会場内に4つのブロックを設け、4名の未踏クリエータが一人4回、少人数の方たちに向けて、丁寧なプレゼンテーションを繰り返しました。講師には負担がかかりますが、この形式ならすべてのプレゼンテーションを全員が身近に聞くことができます。
プレゼンテーションをお願いした未踏クリエータは、研究開発のアウトソーシング事業を展開する荒川淳平氏、アートとしての技術を追求する落合陽一氏、モーションキャプチャーのベンチャーを起業した久池井淳氏、新しいクレジット決済方法を提案する久保渓氏の4名です。それぞれが持ち味を生かしたプレゼンテーションを行って、参加者が質問を投げかけるなど、近い距離でお互いが情報を交換し、未踏人材との交流を深める良い機会になりました。
去る3月19日(水)、2014年度未踏事業の公募が締切られました。今年も多くの若者から、広範な分野にわたるアイディアの応募がありました。テーマ名からみて、本格的なシステム開発をはじめ、今すぐにでも使ってみたいアプリケーションやユニークなツールなど、バリエーションに富んだ様々な提案がありました。今後は、未踏PMの方々のそれぞれの経験豊富な視点での選抜審査が行われます。
6月には採択結果が発表される予定ですので、新たにどのような未踏クリエータが採択されるのか、楽しみにしてご期待いただければと思います。