描くソフトウェア開発による描けるドローソフト生成環境の開発

【慶應義塾大学環境情報学部】 秋山 博紀

「描けるんです」

本プロジェクトは、「 描けるドローソフト 」 という新しい概念を提案し、その 「 描けるドローソフト 」 を 「 描くソフトウェア開発 」 によって
簡単に作れるようにすることを目的としています。

例えばハートマークを PC についてくるドローソフトで描いてみるのと、広い砂浜に枝で描くのでは、楽しさも描いた結果も全然違ってきます。
PC のお絵描きソフトには何がたりないのでしょうか。従来のドローソフトと現実のお絵描きとの間にあるギャップを埋め、
描く行為を楽しむための行為としてコンピュータ上に取り戻すシステム、それが 「 描けるドローソフト 」 です。

「 描けるドローソフト 」 が目指すのは、コンピュータグラフィックスの敷居を下げることです。
豊富な機能を備えたドローツールは玄人のみなさんから見れば確かに素晴らしいものです。
しかし、そのシステムは 「 描きたい 」 というモチベーションがなければ無から有を創り出す大変な作業となってしまいます。
描けるドローソフトでは、「 コンピュータグラフィックはこんなに簡単で楽しいものだ 」 ということを初心者にアピールできるようなシステム
「 描くソフトウェア開発 」 によって目指すのは、「 こんなに面白いソフトが僕にも私にも創れた! 」 という感動です。

「 描けるドローソフト 」 はアイディアが大切です。黒板、砂浜、青空、窓ガラス。どんなものでもドローソフトになる可能性を秘めています。
しかし、素敵なアイディアや視点をもっていてもプログラミングができなければソフトはつくれません。
そんな人が、「 描くソフトウェア開発 」 によって、簡単にドローソフトが創れるようにすることを目標にしています。

3つの要素

描けるドローソフトにとって、最も必要と思われる要素を3つに絞ることで、3要素を調整するだけで簡単にドローソフトが創れるようにしました。
【 ペン 】 描く行為の主体となるものです
【 ボード 】 描く行為の客体となるものです
【 オーラ 】 描く時の雰囲気を盛り上げるものです

描くだけで動きが設定できる

「 描くソフトウェア開発 」 の特長が特に現れているのがオーラの挙動を設定するシーンです。
ここでは、小難しい数式を一切使用する必要がなく、ただ 「 こんな感じで動いてほしい 」 と思う通りにマウスをドラッグさえすればいいのです。
その秘密は描画フレームと同時に座標位置を取得する計測手法と挙動のページ管理システム。
これによって、「 なんとなく 」 動かしたとおりに 「 なんとなく 」 動いてくれます。

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