産学協同実践的IT教育訓練基盤強化事業の概要

経済産業省による「産学協同事業」の概要

経済産業省は、情報サービス・ソフトウェア産業の競争力強化のためには、高等教育機関において実践的なIT教育を実施することで、産業界に高度なIT人材を輩出することが必要であるとの問題意識を掲げ、平成16年度から平成18年度にわたって、産学協同による実践的な教育訓練を支援する事業を実施した。
この事業では、全国各地の大学・高等専門学校において、IT企業の協力の下、実践的な教育訓練が実施され、その成果が報告書としてまとめられるとともに、産学協同による実践的な教育訓練の普及・定着に向けた課題の分析と、その解決に向けた検討が行われた。
この3ヵ年の事業に先立ち、平成14年度補正事業として、学生を含めた様々な人材(現役IT技術者、求職者等)の就業能力の向上を目指したIT教育訓練事業が実施されており、上記の3ヵ年の事業では、この補正事業の成果も活用されている。そのため、以下では、平成14年度補正事業で実施された教育訓練のうち、大学等で実施された計6つの学生向け教育訓練を、上記3ヵ年の事業と同種の事業として扱っている。
また、経済産業省によって、過去4年間の間に実施されたこれらの産学協同による教育訓練事業を、「産学協同事業」と表記する。この「産学協同事業」に含まれる事業は、以下のとおりである。

経済産業省による「産学協同事業」一覧
事業年度 事業名 事業分野
平成14年度
(補正)
「高度IT人材育成システム開発事業」(6事業) 【教育訓練】
– 学生対象
– (現役IT技術者対象)
– (求職者対象)
平成16年度 「産学協同実践的IT教育訓練支援事業」(全9事業) 【教育訓練】
– IT(情報)サービス
– 組込みソフトウェア
平成17年度 「産学協同実践的IT教育基盤強化事業」(全10事業) 【教育訓練】
– 情報サービス
– 組込みソフトウェア
平成18年度 「産学協同実践的IT教育訓練基盤強化事業」(全11事業)
※「教育訓練プログラム開発・実証事業」に加えて、「FDプログラム開発・実証事業」を上記事業として実施
【教育訓練】
– 情報サービス
– 組込みソフトウェア
【FD】(新設)

上記の各事業においては、年度毎に、複数の高等教育機関において実践的な教育訓練を実施する事業が展開された。これら各々の教育訓練事業を、以下では「個別事業」と表記している。約4年にわたって実施された産学協同事業では、以下に示す、計33の高等教育機関(大学・高専)で「個別事業」が実施された。

 

C511-3-1経済産業省の「産学協同事業」に参画した高等教育機関

 

年度別の各個別事業の概要は下記の通りである。

 

平成16年度「産学協同実践的IT教育訓練支援事業」

事業趣旨

産学協同事業の初年度である平成16年度には、「産学協同実践的IT教育訓練支援事業」が実施された。この事業では、将来、情報サービス・ソフトウェア産業においてプロフェッショナルとして活躍する人材の育成を目的として、産学の協同体制の下、大学等の高等教育機関の情報工学系学科の学生を対象に、実務的なスキルを習得するための教育訓練が実施された。
また、平成16年度事業では、事業成果(教育・研修方法、内容、受講者のスキルアップ結果等)の分析・評価を通じて、実務に貢献する実践的な教育訓練のあり方や要件等の提示を試みた。さらに、教育訓練の具体的な内容や、有効性の分析・評価結果を公表することで、実践的な教育訓練の普及・促進を図った。
平成16年度事業では、公募提案形式により提案が募集され、事務局による資格審査・形式審査の他、外部専門家を委員とする選定委員会を経て、9件の産学協同による教育訓練事業が採択・実施された。なお、平成16年度事業は、「ITサービス分野」、「組込みソフトウェア開発分野」の2分野から構成されている。

個別事業の概要

平成16年度事業で実施された9件の個別事業の概要は、以下のとおりであった。

教育機関名 金沢工業大学 連携企業等 (株)ヘッドストロング・ジャパン
(社)日本情報システム・ユーザー協会
事業名 [ITサービス]CIO候補生のためのEPM実践講座
事業概要 CIO候補生のための新しいカリキュラムとして8講座が設計・開発され、そのうちの2講座が実施された。実施された2つの講座では、社会人大学院の学生が、一流企業の現職CIOである講師の指導の下、ケーススタディに取り組んだ。

 

教育機関名 九州産業大学 連携企業等 (株)福岡CSK
(財)九州システム情報技術研究所
事業名 [組込み]組込みソフトウェア技術者育成実践教育プログラム
事業概要 九州産業大学が策定を進めてきた“ハードを怖がらない”技術者の育成カリキュラムに、ハードウェアとソフトウェアの協調設計演習が導入された。また、プロジェクトベース演習の形式で、企業講師による開発プロジェクトの運営に関する教育が実施された。

 

教育機関名 茨城大学・筑波大学 連携企業等 (株)古河ソフトウェアセンター
事業名 [ITサービス]産学協同実践的プロジェクトマネジメント教育の導入
事業概要 企業ニーズ調査により、産業界が求める人材や大学に求める教育を明確にした上で、グループ単位のケーススタディを中心とした、「現場熟達技術者による討論会」、「基礎教育」、「ケース研修」、「現場体験」から構成される教育訓練が実施された。

 

教育機関名 高知工科大学 連携企業等 (株)サイバー創研
NTTソフトウェア(株) 他
事業名 [ITサービス]実践的ソフトウェア設計・製造演習システムの開発・実証
事業概要 NTTソフトウェア(株)で開発され、同社で10年以上にわたり実施された実績を持つ新入社員向けソフトウェア開発演習が、学生向けのカスタマイズを経て実施された。演習では、要求定義から、設計、開発、試験、納入検査までを一通り体験できる。

 

教育機関名 琉球大学 連携企業等 (株)自立型オキナワ経済発展機構
(社)沖縄県情報産業協会 他
事業名 [ITサービス]ケーススタディ型・教育訓練システム導入の有効性に関する検証
事業概要 県内のIT系企業の人材ニーズに基づき、オープンソース系人材育成の基盤となるLinuxシステムの運用管理を行えるスキルを実務的なレベルで習得させることを目的とした「システム管理基礎」および「システム管理業務」の2講座が実施された。

 

教育機関名 東海大学 連携企業等 (NPO)組込みソフトウェア管理者・技術者育成研究会 他
事業名 [組込み]組込みソフトウェア技術教育訓練実証実験
事業概要 組込みソフトウェア産業界で求められるスキルニーズを分析(求められるスキルプロファイル等の策定等)した上で、実際に動作する組込みシステムのハードウェアとソフトウェアを学生に開発させる、プロジェクトベースのカリキュラムが実施された。

 

教育機関名 千葉工業大学 連携企業等 (株)富士ゼロックス総合教育研究所他
事業名 [ITサービス]実践的プロジェクトアソシエイトの育成システム
事業概要 PM知識を体系化し、大学教育への導入を図った。現場経験豊富なインストラクタ陣による講義に加えて、演習やケーススタディを活用したプロジェクトベースドラーニングが実施され、PMの基本知識やツール、テンプレートの基本的な活用方法を習得させた。

 

教育機関名 北海道大学 連携企業等 新日鉄ソリューションズ(株)
(株)日立製作所、日本IBM(株) 他
事業名 [ITサービス]高度IT人材のための産学協同教育フレームワーク開発
事業概要 オープンシステムの基盤として実際に使われているソフトウェア製品技術の講義と演習を通して、学生に、実践的なソフトウェア開発に必要な前提技術を習得させ、一流のソフトウェア開発をリードできる人材となるため技術的な素養を身に付けさせた。

 

教育機関名 大阪府立工業高等専門学校 連携企業等 松下電器産業(株)
事業名 [組込み]自走ロボットによる組込みソフトウェア教育の開発
事業概要 松下電器産業の新入社員研修をベースにした自走ロボットソフトの開発演習が、プロジェクトベースドラーニング方式によって実施された。演習は、プログラミング初級者が、高品質プログラムの作成方法やシステム開発手法を習得することを目標としたもの。

※「連携企業等」については、一部のみが掲載されている場合もあるため、詳細については、「教育事例」を参照されたい。

 

平成17年度「産学協同実践的IT教育基盤強化事業」

事業趣旨

平成16年度に引き続き、「産学協同実践的IT教育基盤強化事業」は、情報サービス・ソフトウェア産業の成長にとっての重要課題とされる高度IT人材を育成するための教育基盤の強化を目的として実施された。
平成17年度事業では、IT企業等と大学等高等教育機関の協同体制を必須とし、情報工学関連学科の学生を対象として、ソフトウェア開発等に関する理論的・体系的知識、及び、実践的応用力を習得させる工学的教育を開発・実証した。教育訓練の分野は、「情報サービス分野」と「組込みソフトウェア分野」の2つの分野に区分された。なお、平成17年度事業では、基礎的な実践的スキルの習得を重視し、実施する教育訓練に、ソフトウェア設計・開発(実装)工程を含めることを必須要件とした。
また、教育訓練の内容評価に加えて、産学連携教育を継続するための課題(阻害要因等)の抽出・分析や、解決策の検討等を行い、その結果をとりまとめた。
平成17年度事業では、公募提案形式によって、事業者を募集した後、事務局による資格・書類審査と、外部専門家を委員とした選定委員会によって提案内容に関するヒアリング審査が行われ、全国で10件(10事業者、14高等教育機関)の委託先が選定された。

個別事業の概要

平成17年度事業で実施された10件の個別事業の概要は、以下のとおりであった。

教育機関名 東北大学、東北学院大学、仙台電波工業高等専門学校 連携企業等 仙台ソフトウェアセンター
サイエンティア 他
事業名 [情報サービス]産学協同創造型OSS開発技術者養成システムの導入
事業概要 3校の異なる教育機関の学生を集めてグループを作り、オープンソースソフトウェア(OSS)を用いたソフトウェア開発演習を実施した。普段開発を体験する機会が少ない大学生に対して、貴重な共同作業による演習の場が提供された。

 

教育機関名 筑波大学、茨城大学 連携企業等 いばらきIT人材開発センター
日立製作所 他
事業名 [情報サービス]J2EEシステム開発で学ぶプロジェクト実行管理
事業概要 豊富な現場経験を有する講師のきめ細かな指導の下、実際の企業における手順を踏ませ、ドキュメントの作成も重視する、実践的なソフトウェア開発演習が実施された。事業には、自治体(茨城県)も参加した。

 

教育機関名 慶應義塾大学 連携企業等 日立インフォメーションアカデミー 他
事業名 [情報サービス]ソフトウェア開発におけるUMLの実践的活用教育
事業概要 UMLの活用に焦点を絞り、モデリングスキルの習得を目標とした講義・演習が実施された。ベテランの企業講師により、企業研修をベースとした教育訓練が展開された。

 

教育機関名 前橋工科大学 連携企業等 ウチダ人材開発センタ 他
事業名 [情報サービス]Web-GISの利用環境構築とアプリケーション開発
事業概要 ネットワーク構築とWeb-GISアプリケーションの開発をテーマとする講義・演習が実施された。企業側も、企業PR等のインセンティブを見出し、積極的に大学に協力した。

 

教育機関名 静岡大学 連携企業等 NECソフト 他
事業名 産学協同ソフトウェア工学教育の実践力強化プログラム
事業概要 ソフトウェア開発のすべてのプロセスを一通り体験することを目的としたソフトウェア開発演習が実施された。この演習は、NECソフト社が実際に実施している新人教育を、大学教育に合わせた形で導入したものである。

 

教育機関名 県立広島大学 連携企業等 広島ソフトウェアセンター 他
事業名 EAに基づく統一的システム管理スキルの育成
事業概要 大学院生と社会人を対象に、EA概念についてのハイレベルな講義が実施された。講義は、テレビ会議システムを用いて行われ、遠隔地のキャンパスの学生も同時に受講した。

 

教育機関名 高知工科大学、鳥取環境大学 連携企業等 NTTソフトウェア 他
事業名 [情報サービス]水平展開可能なソフトウェア教育訓練プログラムの開発
事業概要 豊富な研修経験を有するベテランの企業講師によって、ソフトウェア開発演習の指導が行われた。演習では、実際に企業で用いられるドキュメント類やプロジェクト管理ツールが積極的に用いられ、実践性の高い教育訓練が展開された。

 

教育機関名 琉球大学 連携企業等 自立型オキナワ経済発展機構 他
事業名 [情報サービス]PM育成のための実践的教育システム開発
事業概要 大学院生を対象として、プロジェクトマネジメントに関する専門教育が実施された。熟練PMによる講義に続き、県内IT企業への短期インターンシップも実施された。

 

教育機関名 宇都宮大学 連携企業等 KDDI 他
事業名 [組込み]携帯電話用アプリケーション開発技術の教育
事業概要 大手企業が提供する開発環境を用いた携帯電話用アプリケーションの開発演習が実施された。演習では、KDDI社と協力関係にある企業の講師が、豊富な現場経験を活かした丁寧な指導を行った。

 

教育機関名 芝浦工業大学 連携企業等 さいたまソフトウェアセンター
アルゴ21、永和システムマネジメント 他
事業名 [組込み]組込みソフトウェア開発教育プログラム開発・実証
事業概要 従来シミュレーターを用いて行っていた上記大学の組込みソフトウェア開発教育に、今回初めて実ハードウェア(LEGO)を使用した教育が導入された。

※「連携企業等」については、一部のみが掲載されている場合もあるため、詳細については、「教育事例」を参照されたい。

 

平成18年度「産学協同実践的IT教育訓練基盤強化事業」

事業趣旨

平成16年度・平成17年度の事業通じて、高等教育機関において実践的IT教育を実施する際のノウハウや継続にあたっての課題などが明らかにされた。しかし、その一方で、産業界のノウハウが高等教育機関に十分に移転されず、産業界が常時参加しなければ実践的な教育訓練が実施できない、あるいは、費用が調達できなくなった段階で教育訓練の継続が困難になる等の課題も認識されるようになった。
上記の課題に対して、高等教育機関が自立的に実践的IT教育を行うためには、産業界のノウハウを高等教育機関の教員に移転することで、教員の実践的IT教育実施能力を高め、実践的IT教育を行う際の産業界の負担軽減を図ることが重要であるとの検討がなされた。しかし、この点に関して、これまでの事業では十分な経験の蓄積が無かったため、平成18年度には、それまでに推進してきた実践的な教育訓練プログラムの開発・実証に加えて、新たに、産業界が有する実践的なノウハウを高等教育機関へ移転するための“ファカルティ・ディベロップメント(FD)”に重点を置いた「FDプログラムの開発・実証事業」を行うこととした。
平成18年度事業では、公募提案形式によって、実践的な教育訓練/FDプログラムの開発・実証等を行う事業者を募集した後、事務局による資格・書類審査を経て、外部専門家を委員とした委員会にて、提案内容に関するヒアリング審査を行い、教育訓練プログラム開発・実証事業で7件、FDプログラム開発・実証事業で4件、合計11件の委託先が選定された。

C511-3-2

「教育訓練プログラム開発・実証事業」と「FDプログラム開発・実証事業」の違い

 

個別事業の概要

平成18年度事業で実施された合計11件(教育訓練プログラム開発・実証事業7件、FDプログラム開発・実証事業4件)の個別事業の概要は、以下のとおりであった。

教育訓練プログラム開発・実証事業

まずは、教育訓練プログラム開発・実証事業(7件)の概要を示す。

教育機関名 長崎大学 連携企業等 富士通(株)
富士通オフィス機器(株) 他
事業名 [組込み]組込みソフトウェア教育訓練プログラム開発・実証
事業概要 富士通グループから、教育・技術に関する多数の専門家が参画し、実践的な教育訓練を実施した。学習ボードを用いた基礎技術の学習と、音声出力する電卓の開発プロジェクトを通じた総合演習により、組込みソフトウェア開発プロセスを学んだ。

 

教育機関名 立命館大学 連携企業等 (株)フォーリンクシステムズ
(株)日立製作所 他
事業名 [組込み]大学における組込み技術キャリア教育プログラムの開発
事業概要 組込み技術を学ぶための応用講座として、講義(組込み用C言語基礎講座)、実機演習(組込み用Linux基礎講座)、プロジェクト型演習(グループワーク)が実施された。民間企業から技術者を招き、実際の開発現場や市場動向に関する講演も行われた。

 

教育機関名 東海大学 連携企業等 NECラーニング(株) 他
事業名 [組込み]組込み技術教育に向けたプログラミング言語実習の開発
事業概要 ソフトウェア開発技術を専門に学ぶ学科の1年生に対して、組込みソフトウェア技術の基本を習得させるための教育訓練が実施された。特に、プログラミングによる品質の確保・向上を重視し、品質の重要性やテスト技術に関する教育が取り入れられた。

 

教育機関名 宇都宮大学 連携企業等 KDDI(株) 他
事業名 [組込み]携帯電話用組込みアプリ開発技術の教育
事業概要 Flashを専門とする第一線の技術者の指導の下、汎用性の高いFlashアプリケーションの開発スキルを習得する教育訓練が実施された。授業には、テレビ会議システムを通じて、鹿児島大学の学生も参加した。

 

教育機関名 琉球大学 連携企業等 (株)自立型オキナワ経済発展機構
(株)マグナデザインネット 他
事業名 [組込み]ETSS準拠通信システム開発教育訓練事業
事業概要 情報工学、電気・電子、機械の各分野を専攻している大学院生を構成員とした混成プロジェクトチームにより、組込みソフトウェア開発をテーマとするプロジェクト演習が実施された。PBL前には、講義と個人演習も実施され、総合的なスキル習得が図られた。

 

教育機関名 静岡大学 連携企業等 NECソフト(株)
事業名 [情報サービス]顧客志向による情報システム開発力強化プログラム
事業概要 顧客が求める品質を備えた情報システムを開発するために必要な知識・スキルを習得するための上流工程から下流工程への一貫教育として「システム分析設計論」+「情報システムマネジメント」(講義)、「情報システム開発演習」(演習)が実施された。

 

教育機関名 東北大学・東北学院大学・仙台電波工業高等専門学校・宮城大学・東北工業大学・東北大学大学院 連携企業等 (株)仙台ソフトウェアセンター
(社)宮城県情報サービス産業協会
(株)アート・システム
(株)サイエンティア 他
事業名 [情報サービス]標準PBLによる地域IT人材育成モデル構築・展開
事業概要 平成17年度の事業成果を活用し、さらに改良された教育訓練が実施された。アプリケーション開発プロジェクトを通じて実務上必要な技術を習得する「OSS開発プロジェクト実習」と、大学院生を対象とする「課題テーマ研究開発実習」が実施された。

 

FDプログラム開発・実証事業

次に、FDプログラム開発・実証事業(4件)の概要を示す。なお、仙台電波工業高等専門学校で実施されたFDプログラムは、教育訓練プログラム開発・実証事業との併願案件として採択されたものであり、教育訓練プログラム開発・実証事業で開発された教育訓練の仙台電波工業高等専門学校への導入を図るものであった。

教育機関名 仙台電波工業高等専門学校 連携企業等 (株)仙台ソフトウェアセンター
(株)アート・システム 他
事業名 [情報サービス]OSS開発マネジメント教育プログラムの学内展開
事業概要 同じ仙台地域で実施されている教育訓練「OSS開発プロジェクト実習」を、仙台電波高専の授業として導入することを目的としたワークショップが実施され、産学協同によるカリキュラム作成や、企業講師のノウハウの教員への移転を図った。

 

教育機関名 九州産業大学 連携企業等 (株)福岡CSK
(財)九州システム情報技術研究所
事業名 [組込み]「プロジェクトベース設計演習」FDプログラムの開発
事業概要 平成16年度事業によって開発され、その後も企業の協力を得て実施されている「プロジェクトベース設計演習」を、大学教員が自立的・継続的に実施できるようになることを目指して、教員の企業実務へのオブザーバー参加や討議、演習参加等が行われた。

 

教育機関名 東京工科大学(他) 連携企業等 (株)サイバー創研
NTTソフトウェア(株) 他
事業名 [情報サービス]大学横断的な産学協同FDプログラムの開発・実証
事業概要 平成17年度までの2年間の事業成果に基づいて、平成18年度に東京工科大学で実施された実践的な教育訓練を、「実践的ソフトウェア教育コンソーシアム」の会員である他大学の教員等が見学し、併せて、教員間で教授法についての講義・討議等が実施された。

 

教育機関名 北海道情報大学 連携企業等 (株)SCC
(株)コムワース
(株)新日鉄ソリューションズ 他
事業名 [情報サービス]次世代IT人材育成を目的としたFDプログラムの開発
事業概要 大学院生を対象とする新しいカリキュラムとして、実践的な6講座を設計・開発(そのうち1講座は実施)するとともに、それぞれの講座を担当する予定の教員が、企業での研修受講、産学協同ワークショップ、技術者との討議等のFDプログラムに参加した。

※「連携企業等」については、一部のみが掲載されている場合もあるため、詳細については、「教育事例」を参照されたい。

 

平成14年度補正「高度IT人材育成システム開発事業」

事業趣旨

平成14年度、経済産業省は、ITサービス産業の競争力強化には、ITサービスに従事するプロフェッショナルの質的向上が重要であるとの認識から、従来、単線的な職制で規定されてきたIT人材を、専門分化した職種及びレベルで体系化して定義した上で、それぞれの職種・レベルで求められるスキルを明確化した「ITスキル標準」を策定・発表した。
平成14年度補正事業として実施された「高度IT人材育成システム開発事業」は、この「ITスキル標準」の策定・発表を受け、「ITスキル標準」が対象とするITサービス・プロフェッショナルの育成を目指したものである。具体的には、①既に活躍しているプロフェッショナルの更なる高度化、②学生等若年人材のエントリスキルの向上、③他業種経験人材(離職者・失業者・就業見込の者を含む)が持つスキルを活かしたITサービス産業でのエンプロイアビリティ(就業可能性)の向上を目的として、個別の教育訓練事業が実施された。
平成14年度補正事業では、公募提案方式により、上記の目的を実現できる教育訓練事業を募集し、全国で計28件の教育訓練事業が採択・実施された。この成果は、各教育訓練の個別成果として報告された他、実務志向の教育訓練のあり方、実践的な教育訓練システムに求められる要件の形でまとめられた。また、これらの成果は、平成14年度補正事業に続いて、平成16年度以降平成18年度まで、産学協同による高等教育機関での人材育成に焦点を当てた産学協同事業が実施される際の基盤として活用された。

個別事業の概要

「高度IT人材育成システム開発事業」では、計28件の教育訓練事業が実施されたが、ここでは、上記の28件の教育訓練事業のうち、大学等において学生を対象として実施された、下記の6事業について触れる。

教育機関名 公立はこだて未来大学 連携企業等 新日鉄ソリューションズ(株)
(株)情報科学センター
事業名 実践型グループ学生教育コースの開発及び実施評価
事業概要 大学3・4年生を対象に、企業での新人研修をベースとしたWebアプリケーションシステム開発プロジェクトを実施。受講学生にIT技術者の業務内容を理解させて、キャリアイメージを持たせるとともに、システム開発に必要なスキルを習得させた。

 

教育機関名 立命館大学 連携企業等 富士通(株)
事業名 大学によるキャリアパス開発のためのIT実務教育訓練
事業概要 学生がITサービス職種にエントリするための教育として、理工学部情報学科の専門科目に企業技術者研修を組み合わせた教育訓練を実施した。事業の成果は、新設する「情報理工学部」に導入される新たなカリキュラムのベースとして活用された。

 

教育機関名 会津大学 連携企業等 NTTコミュニケーションズ(株)
(株) T&Fカンパニー 他
事業名 3つのコアスキル指標による新IT人材育成プログラム
事業概要 会津大学の学生と地元企業の技術者を対象者とし、技術教育に加えて、社会におけるプロフェッショナルを育成することを目的として、3つのスキル(社会的知性、ビジネススキル、テクニカルスキル)を評価の軸とする教育訓練を実施した。

 

教育機関名 早稲田大学 連携企業等 松下電器産業(株)
NEC(株)
ナクシージャパン(株) 他
事業名 大学における「ITスキル標準」の実務教育開発・実証実験
事業概要 学生・社会人に対して、高度IT人材の早期育成を行うことを目的として、「ITスキル標準」のレベルに応じた実務教育カリキュラムと教育コンテンツを開発し、実機演習・確認テスト等を実施した。

 

教育機関名 九州工業大学 連携企業等 サン・マイクロシステムズ(株)
(株)三井物産戦略研究所 他
事業名 起業・創業に繋がる実践型Java育成システム
事業概要 福岡県飯塚市における新産業創出の長期的展望を描く「トライバレー構想」の推進に向けて、起業・創業に直結しやすいJava技術に焦点を当て、今後、IT サービスに従事することを目標とする学生を対象に、実践的な教育訓練を実施した。

 

教育機関名 東京都立科学技術大学 連携企業等 (株)教育戦略情報研究所
(株)日立製作所 他
事業名 IT標準スキルに準拠した高度Linux教育訓練システム
事業概要 「ITスキル標準」とLPIC(Linux Professional Institute Certification)の双方に対する整合性の分析を行った上で、Linux教育訓練システムの構築を行い、開発した教育訓練コースの有効性の実証を行った。

※「連携企業等」については、一部のみが掲載されている場合もある。