事業の継続状況

事業の継続状況

経済産業省の委託事業として実施された個別事業の継続状況等を示す。

個別事業の継続状況

平成15年度(平成14年度補正事業)から平成18年度にかけて実施された産学協同事業の多くは、現在でも、様々な形で継続されており、実施先の教育機関における実践的IT教育の基盤となっている。以下には、その概要一覧を示す(下線は、「注目事例」で取り上げている事例)。

C511-4-1(表)

個別事業の継続状況一覧(平成19年度末時点)

 

上表には、平成16年度以降に実施された個別事業の多くが、実施先の教育機関において、様々な形で継続・展開されている状況が示されている。事業成果の活用を含む、個別事業の継続・発展の形態は、以下のように整理される。

【継続・展開の形態】

• カリキュラム内の正規授業として継続(自主財源、自治体支援、企業寄附講座、等)
⇒ 公立はこだて未来大学、金沢工業大学、茨城大学、高知工科大学、北海道大学、九州産業大学、大阪府立工業高等専門学校、慶應義塾大学、静岡大学、鳥取環境大学、前橋工科大学、芝浦工科大学、長崎大学等多数
• 地域の複数の高等教育機関の学生が受講する講座として実施
⇒ 東北大学、仙台電波高専、東北学院大学、東北工業大学、等
• 社会人向け講座として実施
⇒ 県立広島大学、琉球大学、等
• 事業成果を取り入れて、新しい学部学科や大学院等を新設
⇒ 立命館大学、東海大学、宇都宮大学、等
• 事業実施実績を生かして他機関の支援を受け、発展的な講座・プログラム策定等を実施
⇒ 九州工業大学、筑波大学、等
• 事業成果を書籍として出版
⇒ 北海道大学、高知工科大学・鳥取環境大学・東京工科大学、等

上記のとおり、経済産業省事業で実施された講座を継続して実施する際の形態は様々であるが、中でも、単位認定が行われる正規の科目として実施・継続している教育機関が多い点が注目される。この際に必要とされる財源の調達方法も様々であるが、自治体や企業の支援を受けて、事業実施時と同様の産業界の協力体制を維持している教育機関もあれば、企業側の教育ノウハウを吸収し、教育機関が自立して教育訓練を実施しているケースも見られる。後者のケースの代表例として、平成15年度の事業実施時から現在に至るまで、経済産業省事業の成果を基盤に、産学連携教育の発展・拡充に取り組んでいる、公立はこだて未来大学の事例が存在する。また、事業実施時の授業が継続されている他、大学側が企業にも基礎研修を提供するという「双方向型」の産学連携が展開されている興味深い事例として、九州産業大学の取り組みが存在する。
仙台地域では、単位互換制度のある域内の複数の大学の学生が机を並べて受講可能な講座が継続して開講されている。
正規の科目としての実施が困難であった教育機関では、社会人向けの講座などの形で、教育訓練が実施され、経済産業省事業の成果が学外等でも活用されている。例えば、県立広島大学(広島ソフトウェアセンター)では社会人は有料として教育訓練を実施し事業の継続を実現した。
また、事業の成果を取り込む形で、新しい学部学科や大学院等を新設している教育機関も見られる。平成16年度より「情報理工学部」を新設した立命館大学や、平成19年度から、新たな専門職大学院「組込み技術研究科」を開設した東海大学、また、同じく平成19年度から、他大学とともに「新都心共同大学院」を開講した宇都宮大学などが、これに当たる。これらの教育機関では、経済産業省事業で実施された教育訓練の成果が、新しいカリキュラムに導入され、活用されている。
さらに、経済産業省事業の実績を生かして、他省庁・自治体等の支援を受け、発展的な講座・プログラム策定等を実施している教育機関もある。その代表的な事例としては、平成16年度、平成17年度の経済産業省事業の実施実績を基盤として、平成18年度に、文部科学省の2つの公募事業に採択された筑波大学がある。
他には、経済産業省事業の成果を市販の書籍としてまとめ、出版したケースも見られた。高知工科大学で3年間、鳥取環境大学で2年間、 東京工科大学で1年間実施された実績を持つ教育訓練の成果は、実施代表機関である企業が中心となって、平成18年度に2冊の書籍として出版され、また、平成18年度のファカルティ・ディベロップメントの成果も平成19年度に1冊の書籍として出版された (詳細は、「注目事例」を参照されたい)。また、北海道大学で実施された事業の成果も、平成18年度に4冊の書籍として出版された。

市販書籍が出版された事業
個別事業名 水平展開可能なソフトウェア教育訓練プログラムの開発(平成17年度)
実施代表機関 (株)サイバー創研 教育機関名 高知工科大学・鳥取環境大学
連携企業等 NTTソフトウェア(株)、(株)アクシス、(株)ザ・ネット
上記事業成果を基に
出版された書籍
「ずっと受けたかったソフトウェアエンジニアリングの授業(上)」
「ずっと受けたかったソフトウェアエンジニアリングの授業(下)」
著者:鶴保征城、駒谷昇一/出版社:翔泳社(2006年10月)

 

個別事業名 高度IT人材のための産学協同教育フレームワーク開発(平成16年度)
実施代表機関 北海道大学 教育機関名 北海道大学
連携企業等 新日鉄ソリューションズ(株)、(株)日立製作所、富士通(株)、日本IBM(株)、(株)日本システムディベロップメント、日本ヒューレット・パッカード(株)、(株)アルゴ21、ソフトバンクBB(株)、日本オラクル(株)、サン・マイクロシステムズ(株)、日本電気(株)、マイクロソフト(株)、住商情報システム(株)、NECソフト(株)、(株)情報科学センター、日立ソフトウェアエンジニアリング(株)、札幌総合情報センター(株)、(株)NTTドコモ、NTTコムウェア北海道(株)、日本ユニシス(株)
上記事業成果を基に出版された書籍 「ソフトウェアエンジニアリング講座1 ソフトウェア工学の基礎」
「ソフトウェアエンジニアリング講座2 システム開発プロジェクト」
「ソフトウェアエンジニアリング講座3 プログラミング」
「ソフトウェアエンジニアリング講座4 オープンシステム技術」
著者:ITトップガン育成プロジェクト/出版社:日経BP社(2007年2月)

このように、経済産業省事業は、過去に実施先となった各教育機関において、その後、実践的な教育訓練が継続・展開されるための基盤となっている。

実施事業の累積受講者数

平成14年度補正事業(平成15年度実施)から、平成18年度に実施された事業まで、産学協同事業は過去4年間にわたって実施されたが、これらの事業では、数多くの学生が教育訓練を受講するとともに、FD事業に大学や高専の教員が参画した。ここでは、その受講者の規模の推移から、経済産業省の産学共同実践的IT教育関連事業の成果を把握する。

下図は、過去4年間に経済産業省事業で実施された教育訓練を受講した学生に、平成19年度の受講生数を加えた累積グラフである。平成15年度に実施された事業では、約200人に満たなかった学生受講者も、翌年度には800人以上を記録し、その後も800人以上で推移している。そして、平成19年度の累積受講者数は、約3,850人となっている。

C511-4-1(図)

過去5年間の累積受講者数の推移

 

上図の内訳と、平成18年度以降に実施されたFDプログラムの受講教員の数を示したものが、下図である。
下図の数値に関する留意事項は、以下のとおりである。
– 図中、太字・網掛けで表示されている箇所は、経済産業省事業の一環として実施された教育訓練の受講者である。太字・網掛けのない箇所は、教育機関が自主的に実施している教育訓練の受講者を示している。
– 受講者数には、一部、延べ受講者数が含まれている。

C511-4-2

過去5年間に本事業で実施された教育訓練、FDの累積受講者数