企業側の取り組みの現状

企業側の取り組みの現状

高等教育機関は、産業界に対する有用な人材の輩出を強く意識し始めており、 企業との連携による実践的な教育の実施に対して積極的な姿勢を見せている(高等教育機関における取り組みについては、「高等教育機関における取り組みの現状」をご覧下さい)。 そのような高等教育機関側の取り組みに呼応するように、産業界でも、積極的な協力や支援を行う企業が増えている (最近の実践的IT教育の動向や産業界の取り組みについては、 「実践的IT教育を巡る動き」をご覧下さい)。
しかしながら、産業界全体を見ると、産学による実践的なIT教育の実現に向けた取り組みは、必ずしも十分なものとはなっていない。次の図は、企業側に尋ねた、大学との連携の実施内容であるが、ここで最も多く挙げられているのは、「共同研究開発への取り組み」となっている。これに続くのが、「スポット的な特別講義講演への協力」であるが、これを実施していると回答した企業は、わずか15.3%に留まっている。さらに、教育機関側の希望が強い「教育プログラムや教材開発への協力」を実施している企業は3.8%に過ぎず、企業側が、教育機関側の希望に十分に応え切れていない現状を見ることができる。

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企業側の大学との連携実施内容
(経済産業省「ITサービス産業における新卒の採用等に関する実態調査」平成17年)

次の図は、情報工学系の学生をインターンシップとして受け入れた実績を持つ企業の割合を示しているが、 ここでは、3割近い企業が、インターンシップの受入実績が「ある」と答えている。
しかし、その結果を企業規模別に見ると、従業員数2,000人以上の大企業の多くが、 インターンシップの実施実績を持っているのに対して、 従業員300人未満の中小企業での実施率は低くなっており、インターンシップなど、 実践的な教育の実施に向けた取り組みが、 一部の企業によって推進されている可能性が示されている。
教育への協力は、企業の本業ではないことが多いため、 中小企業を含むすべての企業に協力を望むことは難しいが、 これまで見てきたように、高等教育機関において実践的な教育を実現し、 産業界に、企業が求める人材を輩出するためには、企業の協力が必要不可欠である。 実践的な教育の必要性は、すでに多くの高等教育機関にとって認識されている。 産学による実践的なIT教育の普及・促進のためには、高等教育機関側が抱える課題の解決とともに、 企業側も、より一層積極的な産学連携を推進することが重要となっている。

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企業の情報工学系学生のインターンシップ受入実績
(経済産業省「ITサービス産業における新卒の採用等に関する実態調査」平成17年)

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企業の情報工学系学生のインターンシップ受入実績(企業規模別)
(経済産業省「ITサービス産業における新卒の採用等に関する実態調査」平成17年)